下関の水 おもしろ塾 ❺ 水にまつわる伝説 名池の井戸
 仏教伝来以降、諸国を遍歴した高僧たちが布教とともに井戸掘りの技術を伝えて
いた平安時代の中期のことです。
 空也上人が仏教教導の途中、下関に滞在なさいました。いまの東蓮寺です。
上人は、この土地の人たちが水が乏しくてひどく困っていることをお聞きになり、
お手持ちの錫杖を立てたところ、そこから清らかな水が湧きでたのです。 のちに、
人々はここに井戸を掘り、その井戸を名池と名付け、大切にしてきました。
 いまの井戸は東蓮寺の山門の下にあり、近所の人たちの手によって大切に管理さ
れています。
 下関市立名池小学校の校歌には、そのいわれをとりいれ、空也上人と泉のことを
歌っています。
以下は小学校校歌の一部です。

    校歌=   空也の上人ほりしちょう
         くしき泉のわくところ
         にごりにそまぬ いみじさを
         名池とたたえ おかたかく
        以下略  =
          作詞/有光牛声

南部町にあるふく料理店の店先にある井戸は、この水の流れを導水したものです。
下関の水おもしろ塾コラム 浅井仁志
参考文献/ 下関市水道百年史
 
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